政府は令和4年6月17日、「内閣感染症危機管理庁」の設置や司令塔機能を強化することを主眼とした、感染症対応の「方向性」を決定し発表しました。
以下に内閣官房・新型コロナ感染症対策本部の発表内容を転載します。
新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための対応の方向性
令和元年12月に中国武漢市で原因不明の肺炎が報告されて以降、今日に至るまで、新型コロナウイルスは変異を繰り返しながら、世界中の人々の生命・健康や社会経済活動に影響を与え続けている。
我が国では、感染の初期でウイルスの特性が不明であった段階から、国内外の情報を収集し、関係府省庁連携の下、次々と変化する事象に対し、国民の命と暮らしを守る観点から、最大限取り組んでいる。この間、医療従事者、各事業所、自治体をはじめとする国民一人ひとりの感染拡大防止の取組への理解と協力に政府として心から感謝申し上げる。
こうした中で、令和3年11月に政府は「次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像」(以下「全体像」という。)を取りまとめ、感染力が高まった場合にも対応できるよう、都道府県と医療機関との間で新型コロナウイルス感染症に対応する病床等を提供する協定の締結などを行い、保健・医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保等に取り組んできた。
これまでのところ、国際的に見ても新型コロナウイルス感染症により亡くなった方は、人口比で見ればOECD諸国の中でも非常に少なく、WHOの分析によれば他の死因も含めた超過死亡は新型コロナ以前と比較すればむしろ減っている。
新型コロナウイルス感染症については、引き続き、その変異株の特性等に応じた適切な対策を講じ、感染リスクを引き下げながら経済社会活動の継続を可能とする新たな日常の実現に取り組む。
その上で、世界的な環境変化の中で、今後も感染症によるリスクはなくならないことに鑑みれば、新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を振り返り、次の感染症危機に備えることが重要である。
このため、「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議(永井良三座長。)」を開催し、同会議で新型コロナウイルス感染症発生以降これまでの、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号。以下「特措法」という。)に基づく対応や、保健・医療の提供体制等の評価と、これらの対応に係る中長期的観点からの課題の整理がなされた。政府として、同会議に指摘された多くの重要な課題を真摯に受け止める。その中で、「全体像」に盛り込まれた各施策の実効性を更に確保する観点から、医療機関との協定を法定化するなど必要な法改正を含め、対応を強化する。
次の感染症危機に備え、感染の初期段階から、より迅速に、より効果的に対策を講ずるための司令塔機能の強化や保健・医療提供体制の方向性は、次のとおりとする。今後、詳細を検討し、順次成案を得て、必要な法律案を国会に提出する。
司令塔機能の強化や保健・医療提供体制の方向性については、「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための対応の方向性 」(PDF)(令和4年6月17日 新型コロナウイルス感染症対策本部決定)をご覧ください。