〈「レジリエンス(Resilience)」とは、危機に対処する社会の回復の意味です〉

【大会決議】「国民の命と生活を守る武道館1万人大会」

お知らせ

感染症と自然災害に強い日本を

 能登半島地震の発生からまもなく5カ月となる。震度7の激しい揺れによる建造物の倒壊、津波や土砂災害、大規模火災などの多大な被害がもたらされた。新型コロナウイルス感染症の拡大もまた、国民の健康と社会経済活動に多大な影響を及ぼした。

 政府は、各種事態、大規模災害、重大事故、感染症など、種々の緊急時には内閣官房・内閣府が総合調整を適切に行い、関係省庁が連携して持てる力を最大限に発揮するとしているが、首都直下地震や南海トラフ地震など国難級の災害が発生した際に感染症との複合災害を想定したとき、現状のような複数の司令機能が混在していては、適切な対策をとることが果たして出来るであろうか。

 この際、各種民間団体は自発的に多大な貢献をしているものの、地方自治体との協定は地域ごと、団体ごとにばらつきがあり、非常時における各団体の潜在力を最大限に活かすことができないことが危惧される。

 また、これらの事態に既存の法律で対応できない状況が生じた際には、これまで逐次、新たな立法、あるいは既存の法律の改正により対処してきたが、その都度、迅速性を欠く点で批判を浴びてきたことは否めない。さらには、日本国憲法にこのような緊急事態に対応する規定がないことから、既存の法律における緊急事態との整合性、立法の暇のないときの対応に課題を残している。

 こうした中で、憲法に緊急事態対応を明記する国会発議を求める地方議員署名は3000名を超えた。同趣旨の地方議会の意見書が32府県で採択されている。この国民の声、地方議会の声にこたえて、国会には緊急事態対応の条文化が求められている。

 以上のことから、感染症と自然災害から国民の命と生活を守るために、特に重視されるべき以下の点について提唱する。

一、 国はあらゆる災害に対応するオールハザード型の司令塔を設置し、国・地方の指揮系統を確立すること

一、 災害に強い町づくりをめざし、地方自治体が広範な業界団体と防災協定を結び、素早い連携が可能となるよう、国が主導して準備を進めること

一、「 憲法に基づく緊急事態宣言」によって法律が「平時」から「緊急時」のルールへと転換できるようにすべきこと。国会が召集できない事態において、緊急政令や緊急財政支出が可能となる制度を憲法に規定すること

 以上、政府並びに各政党に要望するとともに、災害に強い町づくり、国づくりに取り組むことを決議する。

 

令和6年5月30日
国民の命と生活を守る武道館1万人大会

 

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